2016年4月9日:ケプラー探査機が異常事態に!



[NASA掲載日時]:April 9, 2016

[NASA記事名]:Mission Manager Update: Kepler spacecraft in emergency mode

4月7日(木曜日)のことですが、計画通りにミッション運用エンジニアがケプラー探査機と通信しようとしたところ、探査機が緊急モード(EM)になっていることを確認しました。EMは超低消費電力モードであり、電源の消費を抑えるための機能です。EMからの復旧が、現在のチームの最優先事項です。

ミッションチームはケプラー探査機が異常状態であると宣言し、政府管轄のディープスペースネットワークと地上通信の優先的アクセスを割り当ててもらいました。

この現象の最初の兆候は、ケプラー探査機がEMモードとなる約36時間前に、K2ミッションの観測のために探査機を天の川の中心に向かせるための姿勢制御をさせたことです。

探査機は、地球から約7,500万マイルの距離にいて、通信には時間がかかります。光の速度でさえ、信号が探査機から戻ってくるまでに13分もかかってしまいます。

探査機との最後の正常な通信は4月4日でした。その時点で探査機の状態は良好で機能も全て正常でした。

ケプラーの2012年に完了した最初のミッションでは、5,000近くの太陽系外惑星を検出し、その中で1,000以上を確認しています。2014年にケプラー探査機はK2ミッションと呼ばれる新しいミッションを開始しました。このK2ミッションでは、太陽系外の惑星探査を続けながら、若い星や超新星、および他の多くの天体を研究するための新たな機会を提供してくれることでしょう。

何か更新がありましたら、追加情報として掲載していきます。

Charlie Sobeck​
Kepler and K2 mission manager
NASA’s Ames Research Center

訳者注

現在補足情報がありません。

記事では低電力モードになっていることを確認していることからASTRO-Hの「ひとみ」とは違い通信はできているのではないかと読み取れます。

冥王星探査機のニューホライズンズも、冥王星最接近の前の姿勢制御時にシャットダウンモードとなり、関係者をやきもきさせました。

ちなみにニューホライズンズの障害の原因は、コマンドを送り過ぎたことによる制御用マイコンの処理がオーバーフローしたことでした。


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